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元ロック雑誌のライターでアートプロダクション経営者のどんぶら旅日記

2月16日土曜日 ③ ユネスコの世界遺産 サンパウ病院に閉館間際に行く

 世界遺産登録のリアル病院 サン・パウ病院

 


爆睡すること1時間。
午後3時半に起きる。
良く寝て気分もすっきり。
はてさて今からどうしよう。
本当は、国鉄で一時間半のフィゲラスという町の「卵のダリ美術館」を見に行くことも、午後からのプランの一つであったが、今からでは完全に開館時間に間に合わない。
中学校時代、ほんの今から48年前だが(笑)美術の教科書でダリの卵の美術館の写真を見たとき、
「こんな面白い美術館がある! こんな面白い建物あるんだ!」
と深く記憶に残った。
ダリ作品は日本に何回も来ていて、何回も見に行くうちの新鮮な感動は薄れているし、ダリで本物を見ていないのは「卵美術館」だけだった。

今回のノープランの中での「卵美術館」の位置づけは、実はさほど重要ではなく、車で回るのであればいったかもしれないが、時間、ロケーションを考えて「時間があれば行く」予定だった。
したがって時間がないので行かない。
行かない前書きが長いが、自分が教科書で衝撃を受けたものがある場所、が行動範囲にあることが自分には十分ロマンなわけで。

末娘がサン・パウ病院に行きたいという。
午前中に訪れたカタルーニャ音楽堂とともに、バルセロナで20世紀初頭のアールヌーボー様式を伝えるものとして世界遺産に登録されている、と書いた、その片割れだ。

行こう行こう、と調べる。
なんと閉館時間が4時半だ。
あと1時間で閉館?!
でも明日朝バルセロナを発つので今日しか見れないで!
ここは普段から決断力A、慌てて身支度をすますと、即座にホテル玄関前からタクシーを拾う。

なにげに初タクシー。

 

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初タクシー。
写真撮るほどでもないか。w

中通りかかった「バルセロナ警察」の建物がシックなのでパチリ。

 

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南国の雰囲気のする警察とパトカー

昨日一時間かけて歩いた道を10分で通過した時、おお!
10分だもん!
おかげでサン・パウ病院見学をばっちりすることができた。
タクシー代金は安いと聞いていたが、日本とさほど変わらない気がする。
10分で11ユーロ。

 


アールヌーボーな病院、その驚愕な広さをご覧あれ

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到着旧サン・パウ病院
現在ではカタルーニャ図書館として使われている。
内部に多々ある建物の中で、この正面の建物は管理棟と呼ばれ、みた感じから祭壇のようだ。


サン・パウ病院はここの背中合わせに建てられている。
タクシーの運転手に「サン・パウ病院」だけ告げたら、この正門の前を通過し、ぐるりと回って新しいほうにの入り口に連れていかれそうになった。
違う違う、さっき通った古いサン・パウ病院!を身振りで告げ、ここまで戻る。
うーむ、これは「手」だったのか、とりあえず1ユーロ余分にかかったけれど未だに謎だ。
ホテルの前から明らか観光客が「サン・パウ病院」と言ったら、普通こっちやろ。
ここの前通過して新しい普通の総合病院に行くかな?とか。
ま、いいか。

斜めがけバックをかけていて肩がこったので、袋にWi-Fiとバッテリーいれてぶらぶらさせながら歩いている。
スリ注意もあまり神経質にならずに普通に荷物を持つ私たち。

この病院も設計はカタルーニャ音楽堂と同じく建築家リュイス・ドメネク・イ・ムンタネー(名前長い)の建築。
実はリュイス(呼び捨て・w)建築学校の教授でもあり、なんとガウディーは教え子。
同時代に活躍した建築家の二人なのだ。

145,000平方メートルの敷地内には48の建築物が立ち並ぶ巨大な建物群で、2009年まで、ようするに10年前まで普通に使われていた病院だというからびっくり。
贅沢すぎな病院。

すんごい優雅な建物での病院生活&大量入院可能な病棟。

 

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入り口ホールではアーティストたちの作品展が開催されていた。

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アーティスト自身が勢ぞろいしていて客待ちしていたが、お客さんは絵を見にきたわけではないので、割と簡単に素通り。

 

 

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広大な敷地の、各病棟をつなぐ地下連絡通路。
どの病棟ともつながる地下道だ。

雨の日とか便利だよね、と。

 

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正式名称はサンタ・クレウ・イ・サン・パウ病院

 

 

小さな田園都市、患者の憩いの空間創り

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ゴシック様式のこの病院は、リュイスがここを「小さな田園都市」を目指して構想を練った。
病院の模型でしか全体を見れない。
ひ、ひ、広い!

 

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ここにもオブジェが。 壁がタイルなのは消毒しやすいからだ。



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広い中庭

中庭。
人がまばらで暖かい。
観光客がまったり日向ぼっこしている。

 

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オレンジの木があちらこちらに。
さすがバルセロナ

 

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病棟がそれぞれ離れて独立して建てられているのは感染を防ぐため。
地下通路ですべてつながっているのが機能的でもある。

 

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病棟内の祭壇。

 

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リアル病室。

ベッドをしつらえたまま再現している。

 

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実際の病室で使用していた頃の写真。

昔はこんな感じで見舞い客とかきていたらしい。

 

 

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家族の面会室。

 


サンパウ病院で最も美しく華美な場所、ドメネク・イ・モンタネー広間。

 

サンパウ病院で華やかなのがドメネク・イ・モンタネー広間。


管理棟2階にある。

 

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胸に貼ってある緑色のシールが入場券。

 

天井も柱も凝っている。

 

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右の窓から外を眺める。

 

 

サグラダファミリアがすぐ近く!

 

 

窓からサグラダファミリアが見えた!!

 

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近いんや!!


そう、サン・パウ病院正面玄関から直線距離で、歩行者専用道路一本の先にサグラダファミリアがある。

サン・パウ病院正面玄関二階の窓から見えます、どんつき「サグラダファミリア
500mというから近い。

 

反対側の窓からはサン・パウ病院が庭を中心に見渡せる。

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どこかの小都市のように整然と美しい。

 

 

閉館の鐘がなる


四時半に鐘がなり閉館の合図が響く。
あら、閉館、と時間に忠実な日本人なら慌てるところだが、なぜか周囲の観光客はまったく意に介している様子がない。

のんびりのんびり退出方向へ、といった具合で、出たのは午後5時。
閉館時間とっくやし!みたいな。w

門から道路の向こうにそびえたつサグラダファミリア

「夜7時になるとライトアップあるって」と末娘。
せやな。
「やっぱもう一回見たいわ。サグラダ・ファミリア!」

やっぱもう一回見たいわ、
サグラダファミリア!!