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元ロック雑誌のライターでアートプロダクション経営者のどんぶら旅日記

2月18日月曜日 ⑤ シントラ モンセラーテ宮殿 Monserrate Palace

宮殿と言う名の私邸、モンセラーテ宮殿

 

 

シントラ観光と言えば 、3大名所が「王宮」「ムーアの城壁」「ペーナ宮殿 」だ。
当然ツアーもこの三か所で締めるものが多い。
これに「レガレイラ宮殿」をつけて、なおかつ「ロカ岬」まで行くことを付け足すと「シントラ観光パーフェクトコース」と言われている。
そう、モンセラーテ宮殿はメジャー観光路線図には入っていないのだ。
が、実は「いやいやいや」とツーリストが推している穴場的なスポットだ。
末娘は
「古い城壁だけの荒野のムーアの城壁、
岬なんて世界中どこの岬も一緒、ましてや真冬の岬なんて、しかも遠い、のロカ岬」
を今回辛辣に削除し、一日滞在で面白いところをまわるために
「一番人気で混み混みの『ペーナ宮殿』をみたら
建造物アトラクションの巣窟の『レガレイラ宮殿』
そして最後を人気はないが隠れ優れ場所『モンセラーテ宮殿』行く!」
と決めてくれた。

 

末娘チョイスに脱帽。

 

スペインで道に迷ったモンセラットとめっちゃかぶるけど、モンセラーテ。
https://www.parquesdesintra.pt/en/parks-and-monuments/park-and-palace-of-monserrate/

「モンセラーテの宮殿」とくればと「庭園」と答えが返るほど、宮殿は、それは広大な庭園の中にある。


さっき行ったレガレイラ宮殿とは全く別な庭の趣きであるが、いやはやその広さ。
レガレイラの広さが可愛く思えるほど。ww
ペーナ宮殿からレガレイラ宮殿で大量に歩かされ、足ががたついてきている中でのシントラ正念場の最終徒歩観光地。

 

 

う、う、泣くしかないこの広さ

 

 

もう泣かずにいれないのはバスを降りてすぐに悟った。
庭が半端なく広い。。。。


午後4時、バスから降りたのは私たちを含めて数人のみ。
すでに日は傾きかけている。
入り口もバス停のすぐ前。
チケット売り場もまるで遊園地の遊具のチケット売り場のようにこじんまり。

建物の影は見当たらず、ひたすら庭庭庭の庭。(二羽の鶏はいないが・w)
園内を回るパーク車みたいなのが停車していたが、窓掃除を始めていたのでもう終業とみた。
あと1時間半で閉園だ。
ああ、これにのれたら相当快適に回れたはず。
もう少し早めに来たら良かったのかと車を恨めしい目で眺めつつ、歩く。
(いや、疲れていなければ歩きが最高の場所でもある、と今思う。)
終業時間が迫っているので少し急ぐ。
園内を歩き続け一直線に宮殿に向かう。
ポルトガルに自生する植物や、5大陸全てから集められた植物を植えた広大な公園に仕上げられていて、手つかずのジャングルみたいなところもあった。
一時期荒廃したので、まだ復元整備がなされていない場所も多々あるようだ。

日本庭園もあるみたいだけど、あまりに広いので時間もなく見ることはかなわなかった。

 

入り口から500mほど整備された庭を延々下っていくと、お目当てのその宮殿はあった。
見た瞬間、思わず

「ちっちゃ!」笑

 


小さな異国風の邸宅

 

 

だって、ほらこんな感じ。

 

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モスク風な建物

 

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小さいと思ったのは角度のせい

「これ宮殿っていうのか~」にたにた

ピンクのモスクみたいだ。
モンセラーテ宮殿(パラシオ・デ・モンセラーテ)は、1858年に大富豪であったイギリス人の織物商サー・フランシス・クックが建てた宮殿。
イギリス庭園風の丘の上に、インド・イスラム宮殿風ドームスタイルの建物。
ピンクの宮殿と言われている。
異国風で妙味がある。

 

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小ぎれいな怪魚


レガレイラ宮殿でなじみの中世の怪物彫刻がここにもいる。

こちらは小ぎれいなので雰囲気もおどろおどろしていない。w

 

ちっちゃ、とおもっていた建物内部は外観にそぐわず大変広く驚かされた。
特に最初に入った一階のトイレ、群をぬいて広かった。笑

 

 

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これは全体図の模型。
入り口が小さく見える方位にあっただけ。w

 

 

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ここは、レガレイラ宮殿よりももっと普通に邸宅っぽい。
ただし庭にかけるお金のかけ方が宮殿です。

 

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贅沢な廊下。

最初誰も人影が見当たらず、二人だけで夕刻の薄暗さの中で建物にいたら不気味だった。
なんか早くでようか、ぐらいな気持ちになるほど。
少しして観光客が数人きたので安心してゆっくりみて回った。
意外と普通に不気味に弱い私たち。

宮殿というか、サマーハウスというか、初代クックさんは足しげくイギリスからポルトガルまで来ていたのだけれども、息子の代になると全く来ることはなく(遠いから)、ポルトガル人の金持ちに
「共同のオーナーになってくれ」
頼んだそう。

 

かつては60人世帯だった、モンセラーテ

 

そのポルトガル人が50人の使用人と自分の家族を連れてここに移住し管理していた。
だよね、この庭、使用人いるよね~


で、1929年の世界恐慌の影響にこの広大な宮殿を維持出来なくなり売りに出されることに。

その管理していたポルトガル人一家の息子さんが昔の映像や写真を交えてインタビューに答えている映像が流されているのだけど、それが面白かった。
栄華を極めたころの話を聞くと、この宮殿がいかにいききとしてあったか、
「ああ、この人、ここで子供時代を過ごしたのか!」
と思うと、建物との距離が縮まる感じがした。

長い間放置され、荒れ放題になっていたのを1990年から大改修を行い、2009年にこの美しさが再現されたのだ。

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書斎。

 

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かつてはいっぱいの本棚が、本棚の復元までに時間がかかっていて本まで手が回らないようだ。

 

 

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荒廃した壁とは関係なく、木製の扉はそのままの姿で残っている。

 

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アラベスク(唐草)模様がイスラム的。

 

 

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礼拝堂もいたってシンプルで美しい。

 

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ここんちのペット。
愛嬌のある顔してる。
名前をつけるとしたら「ロッキー」かな。石でできているし。w

 

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当時使われていた電話。
意外と新鮮。

 

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でました、私の好きな「台所」。
オール銅の調理機器だ。

 

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モチーフは常に草があり、その中にここでは鳥がいる。

 

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先ほどとは反対側の回廊。
シンメトリー。
中東の国にいるような写真。

 

 

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中央部の広間。
ダンスパーティーやゲストを招いてのサロンがここで開かれていたメインホール。

 

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クックさん

 

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二階から一階をパチリ。
これで観光客マックスの数。

 

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こぶりな各部屋を覗く

 

 

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まだまだ修復中で、ここがシントラの新しい観光スポットとしてこれから磨かれていくのだろう。

 

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広大な庭こそがモンセラーテ宮殿観光の最大の魅力

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宮殿の裏手の芝生。

これだけでも手入れ大変そう。

 

とにもかくにも庭が広く、庭の維持のための使用人の維持がいかに大変だったかわかる。

 

その証拠に没落したあとは原生林で、こうやって公共の機関が介入しないことには再現も維持もかなわなかったに違いない。

 

 

午後5時、あと30分で閉園だ。
宮殿を出て園内を出口に向かう
来た道を戻るとオシャレなカフェが。

 

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建物は珍しい

 

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カフェとおみやげ物屋さんだった。
お客さんが一人いた。

 

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この建物も石でできていて面白いが「関係者以外立ち入り禁止」っぽい。

この建物の前で

末娘「あれ、こっちの道じゃないほうに出口矢印あったよ」
私「え?こっちから来たから入り口戻るんだったらこっちと違う?」

と話していると、この建物から、若い眼鏡をかけた、少しおなかの出ている白人のおにいさんが出てきた。
ここのスタッフさんで、どうやらさきほどのカフェにいく様子。

 

私「すみません、出口ってこっちですか?」
眼鏡兄「こっちからでもいけますがゆるい坂で500mあります。
後ろの道だったら少し勾配がある階段使って350mでいけます。
どっちでも出口いけますよ!」

と明るく教えてくれた。

はん!!!
さっさと350mを選んで帰る。

 

途中、あたかも森のような庭をぬけて
「ここ、大阪交野市の府民の森みたい!!」と。
(確かスペインのモンセラートでも同じこと口走ったような)

日が暮れて冷気が増す。
出口についたとたんバスが来た。
これはありがたい。
だって日が落ちてかなり寒かったから、待つのはめげる。

今回の13日間の旅、寒いと思ったのは、この日、このシントラだけだった。


あとはコート不要なほど暖かい日々だった。

帰りのバスはレガレイラ宮殿からの最後の客も多数乗り満席だった。
天井がスケルトンのバスで最後のシントラの空を楽しむ。

 

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さあ、リスボンに帰ろう!